2014年10月27日月曜日

百舌シリーズ 逢坂剛(著)

TV版では Mozu シリーズとしてシーズン2が始まり映画化の話も上がっているようですが。シーズン1から倉木という強烈なキャラクタに魅了され見続けていますが、せっかくなので原書を手にしました。原書は次の全6冊です。



  • 裏切りの日日
  • 百舌を叫ぶ夜
  • 幻の翼
  • 砕かれた鍵
  • よみがえる百舌
  • ノリスの巣


テレビから入った口なので、「裏切りの日日」の存在を「百舌を叫ぶ夜」の終盤の倉木の言葉で前作があることを知りました。これについてはまた今度改めて読んでみたいと思います。

テレビでは「百舌シリーズ」と謳ってますが、実際に百舌という殺し屋が登場するのは「百舌を叫ぶ夜」と「幻の翼」のみで(「よみがえる百舌」も登場するといえば登場するけれど)、wikipedia を見ると「公安警察シリーズ」とあり、そっちのほうがしっくりきます。

内容を超ざっくりいうと公安警察シリーズと書いてあるように、公安警察の闇の部分(政治家や暴力団との癒着等)を取り扱った作品です。倉木尚武、大杉良太、明星美希の3人を中心に公安の闇を暴いていくストーリーです。いくつかの関係なさそうな事件が根っこの部分で紐付いていたり、犯人の認識をすり替えられるような設定をしていたり、緻密に計算されたストーリー展開が面白いですが、登場人物のキャラクタがとても魅力的で、すぐに物語に引き込まれます。後半のページ数は膨大で「よみがえる百舌」に関しては600ページを越えますが、すらすらとページを消化し、1日1冊ペースでした。

TV版との比較ですが、シーズン1の百舌を叫ぶ夜については話の流れや設定はほぼ原作通りでした。ただ、新谷宏美が記憶を取り戻すトラウマはテレビ的には表現できないので、原作にいない有村架純氏が殺されることになったようです。また、最後の爆弾テロのくだりはTV版のみで、ドラマティックに演出するためにそうしたのは、シーズン2への布石ですかね。シーズン2は逆に話の流れが原作とは全然違っています(今の所)。原作には「だるま」も「グラークアルファ作戦」とか出てきませんし。新谷のスパイのくだりは同じにしているようですが。


大変面白く読めましたが正直私は、横暴だけれども正義感強くて頭も切れ、無表情で冷静だが実は情に熱い倉木というキャラクタを堪能したかったのですが、実際は「百舌を叫ぶ夜」「幻の翼」「砕かれた鍵」の3作しか出てこないのが非常に残念でした(あー裏切りの日日にも出ますかね)。ハッピーエンドを期待して読みたいなら「百舌を叫ぶ夜」と「幻の翼」の2冊で十分だと思います。それ以外はハッピーエンドとバッドエンドの中間です。この世界観を堪能したいのであれば全部いっちゃいましょう。









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