2014年10月18日土曜日

つくられる病: 過剰医療社会と「正常病」 井上 芳保 (著)


セロトニンやドーパミンの分泌に影響を与える薬物が開発できました。だからそれを精神薬として売りたくなりました。そして「うつ病」や「統合失調症」という診断が現場で増えているのです。そういう順番です。断じて逆ではありませんよ。
著者が薬学研究者が聞いた話。うつ病やメタボリックシンドローム。基準値次第で正常にも異常にもなりえる。異常にしてしまえば、なんでも正常でなければならないという強迫観念により、薬は売れる。国や製薬会社の思惑がある。本来は完全な正常なんてありえない。いかにうまく病気と付き合うかを考えるべき。

精神病院(心療内科)の数が圧倒的に多い日本に対し、精神病院をゼロにしたイタリア。精神病になった人を病院に隔離するのではなく、根本原因(社会や環境)の改善に取り組もうという決意の表れである。

メタボ、うつ病が蔓延するようになった理由を垣間見ることができる一書。

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