2014年4月24日木曜日

つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み 猪谷 千香 (著)

たまたまですが、「つながる図書館」昨日の新聞で紹介されてましたね。

今朝読了しました。内容をネタバレしすぎない程度に纏めてみます。

公立無料貸本屋
2000年ごろから、ベストセラーとなった本が同一図書館に数十冊所蔵されていることがあり、作家が数千万単位の損失を被っています。故に図書館は「公立無料貸本屋」と揶揄されました。

各図書館はこの批判を受け、図書館でしか提供できないサービス、コンテンツなどを模索し始めます。


  • 住みたいと言われる武蔵野プレイス
  • セカンドオフィスになる千代田図書館
  • 町民主導で出来上がったまちとしょテラソ
  • レシピ本だけでなくベーカリーまで貸し出した鳥取県立図書館

等々。他にもたくさん。

指定管理者制度
バブル崩壊後、予算は削減されます。
それとは反対に休日や夜遅く(22時)まで利用したいというニーズは加速します。
対応するには公務員制度の範疇を超えるのでアウトソーシングせざるをえません。
それを可能にするために「指定管理者制度」が出来ました。
これは営利企業やNPO法人に運営委託出来るようになるための制度です。

成功例として千代田図書館が冒頭に紹介されていますが、斬新すぎていい意味でも悪い意味でも炎上したのが武雄市図書館です。2012年、武雄市図書館の運営はカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が行うこととなりました。いわゆる TSUTAYA グループなのです。なので、ここにはスタバとか TSUTAYA、本屋が入っています。貸し出し時に3ポイントくれてやるというのです。ゆっくりお茶しながら本を読める施設なんて、すごくいいじゃんて思うのですが、Tカードで管理されるということは、図書館としてはご法度な個人情報を他で扱われる危険性があるとか、そもそも図書館は無料が基本なのに営利企業のシステムまで組み込んでいいの?などという批判があるようです。

感想
私個人的にすごく思ったことですが、少ない予算を増やすならカフェとかをどんどん出店させて出店料などを徴収すればいいのではなかろうか?そういう営利的なのが法律で規制されているのであれば、それに準じようとするのではなく、その時代に合わなくなってきている法自体を見直した方がいいのではないか?と思う。思うだけなので、問題はもっと複雑だから簡単にはいかないのだろうけれども。

問題提起としては素晴らしいですね。武雄市図書館。ところで武雄市が何県なのか最後のほうまで全く触れられず、こないだ仕事で「武雄JCT」の話題があったので、恐らく九州だろうなと思いながら読んでましたが、機会があれば行ってみるといいと勧められました。ちょっと不親切だなと思いました。

その他
地域に保管されている歴史的資料などをデジタルアーカイブ化し、WEBで閲覧できるシステムを進めていたり、Facebook アカウントで図書を共有、借りたりするシステムが出来たり、様々な試みが紹介されていました。各図書館の新しい試みで、地元民以外の人たちが集まってきており、その地にお金を落としていっているようなので、図書館としての収益はないかもしれませんが、地方が潤うというメリットは大いにあるようです。


余談
伊万里市民図書館の「図書館の自由に関する宣言」や、日野市立図書館の「移動図書館ひまわり号」の精神なども紹介されていて、有川浩氏の図書館戦争のルーツを知ることが出来ました。

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