2014年9月11日木曜日

医療の選択 桐野 高明 (著)

北海道に行った際、新千歳から旭川に向かう道中で同行した後輩3人が医療関係に携わっていて、医療の現場で今起こっていることを色々と教えてもらった。私はシステム屋なので、7年くらい前に調剤システムを作ったことがあるぐらいの全くの門外漢。前提となる知識があったらもっと話が盛り上がっただろうなと思い、本書:医療の選択を手にしました。

読んではみましたが、レビューを書こうという気が起きず、もう4日ほど放置していたのですが、嫁さんと本書についての話をしたり、茂木健一郎氏の本日の連続ツイート【「今、ここ」を生きる子どもたちにとって】(https://www.facebook.com/kenichiromogiqualia/posts/578593068934021
を読んで、自分の中で消化しておく必要があると思い、筆を執った(キーを叩いた)次第です。


何故、レビューを書く気がしなかったかというと、きっと私の読み方が悪かったのだろうと思いますが、どこに向かって話が進んでいるのか全く汲み取れなかったのです。現在の医療システムを歴史の流れにそって纏めてくれてはいますが、著者の桐野氏の意見というものがあまりなく、結局何がい言いたかったのかがよくわからなかったというのが正直なところです。また、いくつか選択肢があるとしても、医療システムに縁遠い私にとって、それらの選択肢に手が届くことはまずないのではないか?とどこか遠い話のように感じたからです。茂木氏の「システム論よりも、自分たちの具体的な選択の方が大切」というのを読んで、その通りだなと思いました。またその発想を受け、私ならどう選択するというシミュレーションをして行くことはアリだと思いました。シミュレーションしていなければ、チャンスが巡って来たときに即座に手を挙げることは出来ないですからね。

でまぁ、本書を振り返ってみたわけですが。世界の医療の現状と行き詰まりが結構よく纏まっていますね。全体的にざくーっと私なりに纏めてしまうと次のような感じでしょうか。(章の前後関係はばらばらです)

税金と社会保障の関係は次の4つに分類出来ます。
①高負担、低給付
②低負担、高給付
③高負担、高給付
④低負担、低給付
①は国民感情的に受け入れ不可能、②はウェルカムだけど国内に油田があるなど莫大な資源が無いと無理、③は大きな政府、④は小さな政府であると。小さな政府というのは発展途上国などにみられる社会保障はある程度無視して経済発展を優先させる社会です(経済が潤うと社会保障分が増えるという説もある)。先進諸国は概ね③を選択していますが、システムはバラバラです。アメリカは自由を選択し、日本は国民皆保険、イギリスでは無料で医療が受けれるNHSというシステムを選択しています。それぞれが今、行き詰まりつつあります。医療技術とその資金だったり、施術が始まるまでの時間だったり云々。高齢者の介護であったり、医薬品の開発であったり。大きな舵取りは出来ないけど今のシステムの中で少しずつ変えていくしかないようです。

医療とは直接的に関係ないですが、国債に対する指摘はなるほどな!!!と思いました。1000兆円の国債で金利が0.1%上がると10兆円が吹っ飛びますが、それは消費税4%分にあたるという話。国債を発行しても富裕層が富むだけで、国民への負担が増えるだけなんですね。

知らないことだらけで、知らないというのは怖いと改めて感じました。
色々と遠い話ですが、今何が出来るのかを考えていきたいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿